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 がん保険・医療保険選びのポイント!
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-こんな場合は払われた?-
【保険金受取人変更の成否で争われた裁判】

●ケース2 満期保険金受取人変更の成否
 原告は30年満期の養老保険(満期保険金受取人は当時の妻)に加入したが、満期の数年前に離婚。離婚の際に本件保険契約の保険金受取りに関することは、当事者間で話し合われてはいなかった。
 保険会社は満期保険金を受取人(元妻)に対して支払ったが、原告は「受取人変更の説明をしなかった保険会社に過失がある」として、満期保険金60万円の支払いを求める裁判を起こした。
<参考>
・昭和40年7月27日にX男は保険金60万円の養老保険契約(満期保険金受取人は当時の妻のA女)を締結。
・平成4年8月にX男はA女と離婚。
・平成7年7月26日に満期となり、保険会社は翌27日にA女の口座に満期保険金を振り込んだ。

●裁判所の判決
 「保険会社には、受取人変更手続きについて、保険契約者から聞かれてもいない場合は積極的にその説明をしなくてはならない義務はなく、指定されていた満期保険金受取人に対して保険金を支払ったことに過失はない」として保険契約者による保険金相当額の損害賠償請求を棄却した。(庄原簡易裁判所 平成8年10月30日判決)


●争点に対する判断
 裁判所は「原告は、被告生命保険会社のD支部職員Bに対し、受取人変更の手続きを説明しなかった過失を主張するが、前記認定事実によると、B職員に受取人変更の相談をしていないのであるから、B職員が積極的に受取人変更手続きの説明をする義務はない」として、原告の主張を斥けた。


●hossieのワンポイント
 判例の解説の中では、被告生命保険会社の職員Bが、原告とA女の離婚を知っていたかについての記述はありませんが、訴えの流れを見る限りでは離婚の事実を知っていたものと思われます。
 今回のケースにおいて、離婚の事実を知っていたかどうかに関わらず、法律的にはB職員には瑕疵はないのですが、気の利いたセールスマンであれば、離婚の事実を知っていれば、受取人の変更についても説明した可能性が高いものと思います。
 個人的な感想ですが、保険の担当者選びは大切だなと改めて感じました。



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