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 がん保険・医療保険選びのポイント!
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-こんな場合は払われた?-
【不慮の事故か否かで争われた裁判】

●ケース2 不慮の事故の成否
 脳動静脈奇形の後遺症でウェルニケ失語症となり、妻と離婚し、その後抗不安剤の大量摂取によって自殺を図るなどしていた被保険者が、行方不明になった後、凍死体で発見された場合につき、被保険者の母親が保険会社を相手に災害割増特約及び傷害特約に基づく災害死亡保険金2,000万円の支払いを求めて提訴。
 被保険者の死亡が不慮の事故によるものかどうかで争われた裁判。

●裁判所の判決
 本件について裁判所は、「被保険者が死亡するに至った原因や経過はこれを特定するに足りる証拠はなく、自殺による死亡である可能性も十分に存する案件であり、結局、本件は被保険者の故意によるものか不慮の事故によるものか不明であるという他なく、保険事故としての不慮の事故にあたるとは断じ得ない」として、災害死亡保険金の請求を斥けた。(盛岡地方裁判所第2民事部 平成10年2月25日判決)


●争点に対する判断
 本件保険契約の普通保険約款の各特約における保険事故たる不慮の事故とは、急激かつ偶発的な外来の事故であり、本件が不慮の事故とは解し難く、原告(遺族)の主張は採用できないとした。


●hossieのワンポイント
 遺族は、被保険者には自殺する理由はなく、本件は「その他の不慮の事故」ないしは「他殺及び他人の加害による損傷による事故」と主張しました。
 裁判所は被保険者の後遺症の状況、雇用環境、精神状態(かなりの低賃金で雇用されていることへの屈辱感・絶望感)などから、被保険者が自殺する引き金となった可能性も否定できない、また他殺を推認させる事実は認められないと判断しました。
 結局今回の事故は故意によるものか、不慮の事故によるものか不明であるとして、原告(遺族)の主張を斥けたものです。 



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