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 がん保険・医療保険選びのポイント!
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-こんな場合は払われた?-
【不慮の事故か否かで争われた裁判】

●ケース4 不慮の事故の成否
 多額の負債を抱えていたうえ、複数の生命保険会社に加入していた被保険者が、観光旅行で海岸に行った際、案内していたタクシー運転手から崖縁に近寄り過ぎないようにと再三にわたり注意を受け、さらに崖縁へ進行を始めた際に同運転手からその着衣や足首を掴まれ制止されたにもかかわらず、これを無視して崖の外に向かって進行し、崖縁から身を乗り出した結果、崖下に転落して死亡。
 被保険者の死亡は自殺によるもので、不慮の事故とは認められないとして、生命保険会社は災害死亡保険金の支払いを拒否した。

●裁判所の判決 
 被保険者の死亡は自殺によるもので不慮の事故とは認められないとして、災害死亡保険金の請求を棄却した。(福岡高等裁判所第2民事部 平成10年6月29日判決)


●争点に対する判断
 遺族は「被保険者は、本件事故現場において、眼下に広がる海を撮影しようとして、安全を図り、腹這いになって手を突き出すようにして写真を撮ろうとして、このような事故に遭遇したものであるところ、眼下の光景を写真に撮ろうとすること自体、誰もがなす社会的に容認された行為であることから、これにより死亡したことをもって、保険金を支払うことが公序良俗に反するということは出来ない」と主張。
 裁判所は、「仮に被保険者の行為が自殺であることが明白でなかったとしても、同行者より再三にわたり崖縁に近寄り過ぎないように注意され、静止を聞かなかったばかりではなく、ズボンの裏側を掴まれていたにもかかわらず、なおもズボンが脱げるほどの勢いで前進を続けて崖から身を乗り出し、あえて崖にしがみついて助かろうともせずに墜落したものであるから、被保険者の行為は重過失にあたることは明らかである」として、遺族の訴えを斥けた。


●hossieのワンポイント
 被保険者は当時、元本だけで約6,000万円の債務を負担しており、自らの資産のみではこれを返済することは到底不可能な状況にありました。
 裁判所は「借金の一部には高利金融業者からの借り入れもあり、資金的に相当逼迫していたことから、自殺を決意する動機は十分にあった」と判断しており、また「死亡現場の被保険者の動きは、写真を撮影しようとする者の動きとしてはあまりにも不自然」としたうえで、「仮に自殺でなかったとしても被保険者に重大な過失がある」として、遺族の訴えを棄却しました。 



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