●裁判所の判決
被保険者は本件車両を無灯火のまま海面に向けて走行させた結果、海中に転落したものであって、免責事由である被保険者の重過失により発生したものとして認められるとして、災害死亡保険金の請求を棄却した。(仙台地方裁判所 平成10年3月19日判決)
●争点に対する判断
裁判所は「一般に本件事故現場のような場所を夜間に走行すること自体、危険性の大きいものであり、ましてや被保険者は自宅近くである事故現場の状況を充分に認識していたものであるから、走行に際しては、ライトを点灯し、誤っても岸壁に近づき、海中に転落することのないよう運転すべきは当然であるところ、それにもかかわらず本件車両を無灯火のまま海中に向けて走行させた結果、海中に転落したものであるから、本件事故は、同人の重過失により発生したものと認めるのが相当である」として、遺族の訴えを退けた。
●hossieのワンポイント
生命保険会社は、被保険者の自殺(故意)による可能性が高く、不慮の事故には該当しないとの主張をしましたが、これについては認めず、事故自体は不慮の事故という判断をしましたが、そのうえで被保険者の行為は重過失の結果生じたと判断し、遺族の請求を認めませんでした。
過失か重過失かで9,000万円の支払いの可否が争われた裁判です。 |
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