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 がん保険・医療保険選びのポイント!
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-こんな場合は払われた?-
【告知義務違反で争われた裁判】

●ケース1 告知義務違反による契約解除
  生命保険に加入をした時点において、被保険者は肝硬変であるとまでは告げられていなかったが、少なくとも慢性肝炎であることは医師より告げられていた。被保険者は慢性肝炎に罹患して治療を受けている事実を診査医に告げずに生命保険契約に加入し、その後二年以内に死亡。生命保険会社は告知義務違反として契約を解除したが、遺族より死亡保険金4000万円の支払請求があった。

●裁判所の判決
 被保険者は肝硬変である旨は告げられていないにしても、少なくとも慢性肝炎であることは医師より告げられており、慢性肝炎に罹患して治療を受けているという事実を診査医に告知しなかったことは告知義務違反にあたり、契約の解除が認められるとした。(東京高等裁判所第9民事部 平成10年1月21日判決)


●争点に対する判断
 遺族の請求はいずれも理由がないと判断し、請求を棄却した。
 理由として、遺族は医師が被保険者に対して肝硬変であることを告知していなかった点をことさら強調しているが、肝硬変でなかったことを告知していなかったにしても、少なくとも慢性肝炎であることは告知しており、診査医からの各質問に対して「いいえ」と回答し、慢性肝炎に罹患していた事実ならびにその治療、検査及び投薬について告知しなかったことは、被保険者の悪意又重大な過失に該当し、告知義務違反により契約を解除した保険会社の抗弁は理由があると判断した。


●hossieのワンポイント
 本ケースは告知義務違反の中でも、ほとんど遺族側に勝ち目がないと思われるケースだと思います。
 病院にかかっていないならまだしも、医師より慢性肝炎にかかっていると告知されていたのであれば、その事実を告知しなかったことについて合理的な理由は見当たりません。
 いわゆる「被保険者の悪意又は重大な過失によって重要な事実を告げず、又は重要な事項について不実のことを告げた場合に該当する」と言う裁判所の判断は、極めて妥当なものと思われます。



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