●裁判所の判決
本件契約の締結にあたり、原告(生命保険会社)に対し、自己の健康状態を正しく告知する義務があることを知りながら、この義務を果たせば保険契約の締結を断られることが予想できたので、これを免れるため、敢えて内容虚偽の告知書を作成したものと認めるのが相当であるとして、詐欺行為に当たると判断した。(山口地方裁判所宇部支部 平成10年1月20日判決)
●争点に対する判断
遺族は「約款によれば告知義務違反があった時には、2年以内に保険金支払いの事由が発生しなかった場合には、契約の解除をしない旨をしており、それを鑑みると約4年間も保険料を払わせておきながら契約の無効を主張するのは、あまりにも保険会社に一方的に有利な処置である」と主張したが、裁判所は「生命保険会社の詐欺無効が信義誠実の原則に反するとは到底理解することは出来ない」と退けた。
●hossieのワンポイント
裁判所は「4年余りに渡って保険料を払い続けたとしても、詐欺により保険契約が無効とされるのみならず、既払込み保険料を払い戻さない旨の約款規定は、保険契約を無効にしても保険料の払戻しがなされると、将来的に詐欺行為の抑止力にならないことを考えると、合理的でないとは言えない」という判断をしました。
今回のケースでは、保険会社には詐欺行為に気づかなかったことについての落ち度がなく、保険料の払込みの期間をもって保険会社の信義則違反を問うのは難しいものと思われます。 |
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