●裁判所の判決
本件生命保険契約は、インスリン依存型糖尿病にて治療中という極めて重大な事実が秘匿されたままでの契約であるということに加えて、契約後2年以内にも入院しているにも関わらず、2年以上を経過した時点に至って初めて給付金を請求したといった諸事実が判明しており、終身保険普通保険約款第16条(原告生命保険会社の約款)により、契約は無効であり、支払った入院給付金の返還と被保険者に保険料の返還請求権がないという生命保険会社の主張を認めた。(宮崎地方裁判所都城支部 平成10年7月24日判決)
●争点に対する判断
生命保険契約の約款16条には、「保険契約の締結、復活または復旧に際して、保険契約者または被保険者に詐欺の行為があったときは、保険契約を無効とし、すでに払込んだ保険料は払戻しません」との規程があり、これを根拠として原告生命保険会社の主張を認めた。
●hossieのワンポイント
被保険者は契約加入時も糖尿病にて入院中であり、入院歴・過去の既往症についても正しく告知をしていませんでした。
契約後2年以内にも入院していたにもかかわらず給付金を請求せず、2年経過してから初めて請求したという事実を考えると、詐欺無効による契約の無効ならびに保険料を返還しないという保険会社の主張が認められたのは、ごく当たり前のように思います。
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